伝統的な品種に、それより堅牢な別の品種を交配すると、より耐性の強い品種が得られます。こうして得たぶどうには、伝統的な品種のそれに近い素晴らしい香りや味わいと共に、ベト病、ウドンコ病、灰色カビ病などの病気に対する強い抵抗力が最初から備わっています。
交配自体は新しい技術ではありません。今日用いられている主要品種の多くは、数世紀も前からこの手段により得られてきたものです。今の時代に適する減農薬栽培を更に推進するため、祖先から受け継がれてきた交配という技術を再び利用することにしただけのことです。
地球温暖化や畑での農薬使用に関する不安など、多様な問題に直面していた私たちは、従来とは異なる働き方を見つけなければなりませんでした。栽培の根本に目を向け、ぶどう樹の新品種を植えることに決めたのは、至って当然のことだったのです。今日の知識や技術を用いれば、私たちを取り巻く状況に適応でき、私たちの子孫も長期にわたってぶどう栽培を続けていくことができるはずです。
2014年6月初旬、私たちはアントル・ドゥー・メールの中央に位置する3ヘクタールの畑に、病気への抵抗力の強い品種の樹を植えたのですが、それには二つの大きな目標がありました。
– 畑において:年間の農薬散布回数を50%、或いはそれ以上減らし、これらの新品種が海洋性気候とボルドー式栽培法に適応するかどうかを見極めること
– 醸造と販売において:新品種で高品質ワインを生産して顧客や流通業者らに味わってもらい、これらのワインが長期にわたって市場で人気を保持できるかどうかを探ること
平均年間生産量: 5,500本
ウノローグ:ジェレミー・デュクール
醸造
収穫期日:9月中旬
マセラシオンとアルコール発酵 :タンクにぶどうを入れ26℃で15 日間のアルコール発酵。定期的なルモンタージュとデレスタージュ。発酵後マセラシオンを30℃で10日間続ける。18℃でマロラクティック発酵。
熟成:ステンレスタンク内にて
テイスティング
スパイスと濃厚な黒い果実、特にカシスが混じりあった香り。
ふくよかな味わい、熟した果実、よく溶けたソフトなタンニン。
フードペアリング
アペリティフ、シャルキュトリー、バーベキュー、スパイシーな料理、チーズ、チョコレートのデザートと共に
ワインボトルの写真 テクニカルシート 賞やメダル